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インサイドアジアでは、在中18年目の作家・谷崎光とアジアの精鋭インサイダーたちが”本当”をお伝えします。

ボクの中国マスオさん生活① 中国の義父から「人の家でなんだ、このざまは!」と怒られた、日本人が中国でやりがちな大失敗

中国人男性と結婚した日本人女性は実は強い人が多い。なのに?!たいていがお姫様のように大切にしてもらっているのに比べ(異論あるかた! ご寄稿、まってます(笑))、中国人女性と結婚した日本人男性は草食系の方がわりと多い。強ーい中国女性に踏まれても蹴られてもじっと耐え忍ぶおしんのようなイメージ。しかも在中の場合、多くは奥さんの家に住み、主導権は常に妻。あ、いや…これは世界中どんな組み合わせの夫婦でも共通のことですね。失礼しました。

今回はそんな……、あ、違う、中国で幸せなマスオさんライフを送られる吉田陽介さんにご寄稿いただきました。

 

 

 こんにちは。吉田陽介です。

 北京生活18年目に突入しようとしています。私は2006年11月に結婚しましたが、自分の家がないので、妻の家で「マスオさん」生活をしています。

 

 アニメ『サザエさん』で、サザエさんの父親の波平さんが、「マスオ君、一杯やらんか」というシーンをご覧になったことがある方は多いかと思います。私も結婚してから、そういう場面によく出くわします。でも、妻のお父さんはすでに定年退職していますから、マスオさんと波平さんのように、二人で居酒屋へ繰り出すということはありませんが。

 

私が妻と出会ったのは、2005年の8月末。日本人の友人と彼の中国人の奥さんと一緒に遊びに行ったときに、初めて会いました。その後、友達から交際を発展させ、時折デートをしましたが、初めて彼女の家に行ったのは2005年の秋でした。その時、初めて彼女の両親に会い、ギョーザをご馳走してもらいました。

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(奥様のご家族と、初の顔合わせは水餃子 写真 吉田陽介氏)

 

 お母さんは中国の国家機関の事務方として働いていたためか、かなりしっかり者という感じで、お父さんは民間企業の一般の労働者で、厳しい中にも優しさがあるという感じの人です。

 

「日本人にとってギョーザは一番なじみの深い中華料理です。今日は本当にありがとうございます」とお礼を言った後、お父さんは「吉田君、どうだ、一杯」と言って白酒、それも、56度の「北京二鍋頭」を勧めてきました。

 

 断ったら、任侠物の映画のように、「なんだ、おれの酒が飲めないっていうのか」と言われるのも嫌なので、一口飲んでみましたが、辛いし、のどが焼けるという感じで、これはがぶがぶ飲める代物でないなと思い、一口飲んで「こりゃ、私には無理ですね」と言ってすぐさま杯を返しました。

 

 白酒は今でこそ飲めますが、当時はまだ飲めませんでした。というより、トラウマがありました。

 

 2003年夏、私は日本人留学生の友人とある中華料理店で食事をしたとき、白酒を飲み、失態を犯していました。白酒はある程度食べ物をお腹に入れてから飲んだ方が酔いにくいのですが、その時私は何も知らなかったので、あまりお腹に入れずに一気飲みでどんどん飲んだので、かなり酔っぱらいました。

 

 飲んだ酒自体は38度だったのですが、その時は白酒に対する免疫もなく、記憶がぶっ飛ぶほど飲んでしまい、しまいには二次会のカラオケ店でゲロっとやって床にぶちまけてしまいました(食事中の方、ごめんなさい!!)。もちろん、みんなドン引き。それからというもの、白酒は口にしただけで、その時のことが頭の中によみがえってくるので、飲みたいとは思いませんでした。

 

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 (アルコール度の高い白酒 写真 吉田陽介氏)

 そんなこともあり、その日はビールを飲みました。すると、お父さんはこれ以上勧めませんでしたが、「まあ、若い人はビールが好きだよな。ビールはお腹が張るから好きじゃない。やっぱり、おれは白酒がいいな」と言い、やや寂しそうに手酌で飲んでいました。(今から思えば、気を利かして酌をすればよかったと思うのですが・・)

 

 結婚してからは、基本両親とは別居ですが、週末に妻の実家に行くと、お父さんは波平さんのように、「吉田君、一杯やらんか」と言ってくれました。

 

 飲む酒はもちろん白酒。こりゃ大変だなと思いましたが、お父さんの飲み方は若い人のようにガンガン飲むのではなく、一人当たりお猪口3杯までとしていましたし、食べ物をお腹に入れながらチョビチョビ飲むので、体に大きなダメージがなく、徐々に白酒に慣れていき、2人で一本飲めるようになりました。「これでおれは白酒マスターだ」と思っていましたが、また酒で失態を犯してしまいました。

 

 

 

 2009年国慶節に妻の親戚の家で白酒を飲んだのですが、他の親戚から勧められるがままにハイピッチで飲んでいました。

 

 白酒を飲んだことのある方なら経験がおありかと思いますが、白酒は後から酔いがグッときます。その時、飲めば飲むほど気が大きくなってきて、「どんどん飲むぞ。おれはまだ酔ってない」と言ってガンガン飲みました。

 

 飲み終わってから少し経つと、案の定酔いが回ってきて、その後は“地獄”になりました。それを見たお父さんは「人の家でなんだこのざまは」とかんかんに怒っていたそうです。

 

 日本なら、他の人に危害を加えていないのなら、酒の席だからと笑って許してくれますが、中国は酔っ払いに寛容ではありません。

自分の家族が酔っ払ってメンツをつぶされたのだと思います。

 

 後日、「人の家であんなに飲んで酔っ払うもんじゃない。酒はいいものだけど、飲みすぎちゃいかん」と説教されました。酒飲みも「日本スタンダード」で考えたらダメだということを思い知らされました。

 

そんなこともありましたけど、今はお父さんとの白酒ライフを満喫しています。今も妻の実家に行くと、お父さんは必ず言ってくれます。

「吉田君、一杯やらんか」。

 

 

 吉田陽介(よしだようすけ)

1976年7月1日生まれ。2001年3月福井県立大学院を卒業。同年8月末に北京に渡る。中国人民大学で中国語を1年勉強。2002年~2006年まで同大学国際関係学院博士課程で学ぶ。2006年7月に卒業後、日本語教師として働く。現在は翻訳や記事の執筆などを行う。

 

そうなんです。吉田さん、良いこと教えてくださってますよね。中国人は酒を勧めるわりに、よっぱらいに寛容ではありません。勧められて酔いつぶれるような油断する人と仕事をしたり一緒にいると、この国では大変なことになるからです。それがたとえ妻の親戚の家であっても……。この厳しさが中国。ま、13億だから、いろんな人いるけどね。

 

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